会計は全然難しくない

公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナー、マネーアドバイザー、証券アナリスト…

世の中には「会計」を扱う仕事や話題がいっぱい。

朝のニュースも、ワイドショーも、新聞のトップ記事も、大きな会社の会計の話を中心に経済の話が毎日世にはびこっていますよね。

でも、実際のところ会計って何を表しているの?と思う方も多いと思います。

今回は、そんな方のために、会社の会計ってどんな役割があるのか、何を表しているのかを中心に解説していきます。

(結論)会計=会社の価値の内訳

いきなりですが、これが今回の結論です。

会計は、会社の価値の内訳を表すものです。

以上について深掘りしていきます。

貸借対照表と損益計算書

※長いので時間がない方は飛ばしてください(でもここがメインです)

まず、企業会計は、企業の経済活動を適切に認識して測定し、記録することを目的とします。

難しい言い回しはここまでにして、要するに決算の時点の会社の経営状況を財務諸表という書類にまとめて提出するわけですね。

いったい誰に?・・・投資家に対してです。

企業は、大小様々違いはあってもだいたい株主などの投資家が投資してくれたお金を元手にして営業を行なっていきます。

なので、企業は株主にその運用成績を一定期間ごとに報告しないといけないんです。

その結果を見て、投資家はさらなる投資を行うか、その企業からはもう引き上げるかといった今後の意思決定の材料にするわけです。

その材料となるのが、財務諸表と呼ばれる計算書類です。

財務諸表はざっくり分けると、以下の4つから構成されます。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュ・フロー計算書
  • 注記表

その他、規模に応じて書類は様々ありますが、今回は重要性の高いこの4つについて解説します。

①貸借対照表…ストック要素を表す

貸借対照表は、、一言で言うとストックを表す表です。

貸借対照表はバランスシートとも呼ばれ、その名の通り企業のバランスを表示するものです。

具体的にいうと、資産と負債をそれぞれ並立で表示し、その差額(資産から負債を除いたもの)を企業の純資産として表示するものです。

はい。たったこれだけ。

専門用語なんて使うからややこしいですが、結局決算の時にお金いくら持ってていくら借金してていくら儲けを貯め込んでいるのかを表示しているだけです。

簡単ですね。

キーとなるのは、ストック(決算の時点での蓄えの金額)の表だということです。ですので貸借対照表からはいくら利益が出てるのかは分かりません。

あくまで持ってる資産と負ってる負債、その差額の純資産を表しているだけの言ってみれば財布の中身を表しているものです。

②損益計算書…フロー要素を表す

つぎは損益計算書。これもそのまんまです。めっちゃざっくりですが解説します。

まず、一番上に当期の売上高を表示します。そして、

売上高から、仕入れた金額を引いて(売上原価)、

粗利(売上総利益)を出します。そして、

売上を上げるために必要な経費(販売費及び一般管理費)を引いて、

本業で得た純粋な利益(営業利益)を出します。そして、

営業とは関係ないけど、支出した費用と得た収入をそれぞれ足し引きして加味して、

まあ、毎年このくらいはうちら儲けてますよって利益(経常利益)を出します。そして、

今年、たまたま損したり、たまたま儲かった分を加味して、

会社が一年間に得たトータルの利益(税引前当期純利益)を算出。

その金額を元に法人税を算出して、

その税金を引いた、株主に帰属する利益(税引後当期純利益)を出します。

株主に帰属っていうのは、要は会社って株主のお金を元にして成り立っているので、株主からもらった資本で得た利益は配当なりなんなりして還元していかなきゃいけないんですね。だから配当とか分配の目安になる利益ってイメージです。

こんなかんじで、会社が一年間営業をしているうちにどのくらい儲けて、どういった流れを経て最終的な利益の金額になったのかをストーリーを交えて書いてくれてるんですね。

だから例えば、経済のニュースなんかで「〇〇株式会社の営業利益が前期比15%減で…」とかいったら、本業の儲けが15%も減ったんだからその会社の収益力は相当弱くなってるってことがわかるんですね。

③キャッシュ・フロー計算書…資金繰りを表す

はい。こちらは読んで字のごとく、会社のキャッシュフローを表すものです。

営業活動と投資活動、財務活動にそれぞれ内訳が示されており、どんな分野で会社の資金が増減したか、キャッシュ(=お金)の動きで説明しているものがこちらです。

よく黒字倒産とか言われたりするのは、ここを見ると原因がわかったりしますね。

いくら売上をあげている会社でも、キャッシュをきちんと回収していなければ営業が回らないので、

基盤が安定している大企業より中小の方がキャッシュフローは敏感に抑えた方がいいポイントです。


④注記表…備考をかくもの

こちらは、注記を列挙するものです。

経営者が、(実際はほとんど税理士が書いていますが、、)外部に向けて会計のポイントを書いています。

会計は相対的なものともよく言われ、計算方法をある程度は選択することができます。

当然どれを選択するかによって金額が変わってくるので、より実体を得だ解釈をする為には会計処理方法の開示は必要不可欠です。

具体的な話をすると、減価償却の方法一つ取っても利益が出るか出ないかすぐ変わってしまいますからね。

経営者が恣意的に利益を上げたり、課税を逃れる為に赤字にしたり、数字を好き勝手いじれないように毎期どの方法で処理したかを開示させるわけですね。